【美容師必見】103万円、106万円、130万円の壁とその影響を徹底解説!
今回は、今何かと話題の「103万円の壁」「106万円の壁」「130万円の壁」について詳しく解説し、収入に応じた影響を具体的な数字で解説します。税制や社会保障制度についての知識をもっておくことで、お客様との会話に使えたり、自身の知識としても活用できます。
1. 壁の種類とその重要性
103万円の壁とは?
103万円の壁は、主に所得税に関連するもので、年収が103万円を超えると配偶者控除が適用されなくなります。このため、家庭の税負担が増える可能性があります。
106万円の壁と130万円の壁とは?
106万円と130万円の壁は、社会保険料に関するものです。
106万円の壁
関連制度
- 社会保険(健康保険・厚生年金)の加入条件
詳細
- 年収が106万円以上の場合、一部の条件を満たすと、配偶者の扶養から外れて自身で社会保険に加入する必要が出てきます。
- 対象となるのは以下の条件を満たす方:
- 勤務先の従業員が51人以上の企業
- 週の労働時間が20時間以上
- 月収が88,000円以上(年収換算106万円以上)
- 見込み雇用期間が2カ月以上以上
- 学生ではない
- 社会保険に加入すると、健康保険料や年金保険料(一般的に給与の約14%程度)が本人負担となります。
主な影響
- 年収106万円を超えると、手取りが減る場合があります。ただし、社会保険に加入することで将来の年金が増えたり、健康保険の保障が手厚くなるといったメリットもあります。
130万円の壁
関連制度
- 扶養控除および社会保険の扶養範囲
詳細
- 年収が130万円以上になると、配偶者(夫)の社会保険の扶養から外れるため、自身で社会保険に加入する必要があります。
- この壁はすべての企業に適用され、従業員数に関係ありません。
- 社会保険料は年収の約14%程度で、健康保険と厚生年金の負担が増えることになります。
主な影響
- 年収が130万円を超えると、社会保険料の負担が発生するため、実質的な手取り収入が大きく減少する可能性があります。
- 配偶者控除や配偶者特別控除の適用範囲から外れる可能性もありますが、こちらは配偶者の年収にもよります。
106万円の壁と130万円の壁の違い
項目 | 106万円の壁 | 130万円の壁 |
---|---|---|
対象となる制度 | 社会保険(勤務先が従業員51人以上の場合) | 社会保険(扶養範囲全体) |
適用条件 | 一部の企業(従業員51人以上) | 全ての企業に適用 |
主な影響 | 健康保険と厚生年金への加入が必要 | 配偶者の扶養から外れる |
発生する保険料負担 | 約14%(社会保険料) | 約14%(社会保険料) |
メリット | 社会保険による保障が手厚くなる | 社会保険による保障が手厚くなる |
手取り収入への影響 | 減少する場合がある | 大幅に減少する可能性 |
どちらを超えるべきか?
- 106万円の壁付近の場合:
- 社会保険料負担はありますが、手厚い保障を得られるため長期的なメリットを考えるなら検討の余地あり。
- 130万円の壁付近の場合:
- 扶養の範囲から外れるため、手取り収入を大きく増やすには年収160万円以上を目指すことが現実的。
結論
壁を超えるかどうかは、収入の見込みや社会保険のメリット・デメリット、将来の年金や保障を含めた家計全体でのバランスを考えて判断するとよいでしょう。
↓この下の図がとってもわかりやすいと思います!
https://www.recruit.co.jp/sustainability/iction/ser/money_work/002.html
所得税と社会保険料の違い
所得税は累進課税制度を採用しているため、負担は段階的に増加します。一方、社会保険料は一定の収入を超えると一気に負担が発生するため、家庭に与える影響が大きくなります。(※103万円の壁と106万円、130万円の壁は掛かる税金の種類がちがいます)
(※↓所得税の累進課税の表)
https://biz.moneyforward.com/tax_return/basic/51628/
★社会保険料の構成★
社会保険料は主に以下の要素で構成されています:
- 健康保険料
- 厚生年金保険料
- 介護保険料(40歳以上65歳未満の方)
- 子ども・子育て拠出金
★保険料率★
保険料率は以下の通りです(令和5年4月分から適用)
・健康保険料率:10.00%(東京都の場合)
・厚生年金保険料率:18.300%
・介護保険料率:1.82%
・子ども・子育て拠出金率:0.36%
2. 収入別の影響と試算(※年収100万円、105万円、110万円、135万円の4パターンで計算)
前提条件
- 夫の年収:500万円程度(給与所得者)
- 主婦の収入:給与所得として計算
- 社会保険加入条件:
- 年収130万円未満の場合、通常は夫の扶養に入れるため主婦自身の社会保険料は不要。
- 年収130万円以上の場合、扶養から外れ、社会保険料(健康保険・年金)を支払う必要あり。
- 住民税・所得税の基準:
- 住民税:所得が100万円以上で課税開始(各自治体により多少異なる)。
- 所得税:給与所得控除後の課税所得が48万円以上で課税開始。
給与所得控除(2024年現在)
給与所得控除額:
- 収入が55万円以上の場合:55万円が控除される。
計算結果
年収100万円の場合
- 給与所得控除:100万円 – 55万円 = 45万円
- 課税所得:45万円(課税所得が48万円未満のため、所得税なし)
- 住民税:45万円 – 基礎控除43万円 = 2万円(住民税の均等割がかかる場合あり)
- 社会保険料:夫の扶養内のため不要。
結果:所得税なし、住民税(均等割5,000円程度のみ)。
年収105万円の場合
- 給与所得控除:105万円 – 55万円 = 50万円
- 課税所得:50万円 – 基礎控除48万円 = 2万円
- 所得税:2万円 × 5% = 1,000円
- 住民税:50万円 – 基礎控除43万円 = 7万円 → 住民税10%程度 = 7,000円
- 社会保険料:夫の扶養内のため不要。
結果:所得税1,000円、住民税7,000円程度。
年収110万円の場合
- 給与所得控除:110万円 – 55万円 = 55万円
- 課税所得:55万円 – 基礎控除48万円 = 7万円
- 所得税:7万円 × 5% = 3,500円
- 住民税:55万円 – 基礎控除43万円 = 12万円 → 住民税10%程度 = 12,000円
- 社会保険料:夫の扶養内のため不要。
結果:所得税3,500円、住民税12,000円程度。
年収135万円の場合
- 給与所得控除:135万円 – 55万円 = 80万円
- 課税所得:80万円 – 基礎控除48万円 = 32万円
- 所得税:32万円 × 5% = 16,000円
- 住民税:80万円 – 基礎控除43万円 = 37万円 → 住民税10%程度 = 37,000円
- 社会保険料:扶養外れるため支払い必要(年収の約14%)。
- 社会保険料:135万円 × 14% = 約18.9万円
結果:所得税16,000円、住民税37,000円程度、社会保険料189,000円。
まとめ表
年収 | 所得税 | 住民税 | 社会保険料 | 合計負担額 |
---|---|---|---|---|
100万円 | 0円 | 5,000円 | 0円 | 約5,000円 |
105万円 | 1,000円 | 7,000円 | 0円 | 約8,000円 |
110万円 | 3,500円 | 12,000円 | 0円 | 約15,500円 |
135万円 | 16,000円 | 37,000円 | 189,000円 | 約242,000円 |
注意:具体的な計算は自治体や保険料率によって変動するため、詳細は税理士や自治体に確認してください。
働き損にならない年収
- 106万円の壁: 該当する人が働き損にならないためには、年収を125万円以上にする必要があります。
- 130万円の壁: 該当する人が働き損にならないためには、年収を153万円以上にする必要があります。
3. 壁を超えると何が起こるのか?
これらの試算から、特に(※106万円)と130万円の壁を超えると、社会保険料の負担が大きく増加することがわかります。ただし、長期的には社会保障の充実につながるメリットもあります。
4. 国民民主党と厚生労働省の動き
最近、国民民主党は「103万円の壁」の撤廃と、配偶者控除の適用範囲を年収178万円まで引き上げることを提案しています。これは、所得税の適用基準を緩和し、より多くの所得を得やすくする施策です。
一方、厚生労働省は「106万円の壁」の撤廃を検討し、一定の年収を超えた方には社会保険料を徴収する方向性を進めようとしています。このように、両者の動きは、働く人々にとって異なるアプローチをとっており、対照的です。
5. まとめ
今話題になっている、これら収入の壁についてや、税制や社会保障制度についての知識を持っておくことで、幅広い話題にもスマートに対応できるようになります。
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